東京五輪の女子レスリングで金メダルを獲得した志土地真優選手と志土地翔大コーチが2月25日、ニュージャージー補習授業校(高畑誠校長)を訪れ、360人の生徒を前に「あきらめなければ必ず夢はかなうので、何事にも頑張ってほしい」と話した。2024年パリ五輪での2冠という次の夢を語る姿に、生徒から熱のこもった拍手が送られた。同日夕には、ニューヨーク、ニュージャージー州の高校生ら8人が金メダリストから直伝の技を学ぶレスリングのワークショップも開かれた。
真優選手らは、海外の選手との練習を積むために渡米中。幼児部から高校生が集まった補習校体育館に、金メダルを胸にして現れると、歓声が上がり、真剣な表情で同選手の話に聞き入った。生徒から「金メダルを取った気持ちは?」と聞かれ、「金メダルを取ったら燃え尽きたような感じでレスリングをやめようと思っていたけど、勝った途端にもう一回五輪に出たいと次の夢ができた」と話した。
同選手は、5歳でレスリングを始め、東京五輪で金メダル獲得という夢を追い続けてきた。「練習は厳しいし、たくさんの負けを経験してきた。それでも五輪で金メダルという夢があったので、頑張り続けることができた」と、夢や目標を決めることの大切さを語った。
翔大コーチは「東京五輪まで周りでサポートしてくれる人がたくさんいた。感謝の気持ちを持って生きると必ずいいことがある。人の成功を素直に支援していってほしい」と、お互いの支援や協力の大切さを訴えた。

補習校での交流会の後、ニュージャージー日本人会(近藤三奈会長)が、ニューヨークとニュージャージー両州の中学生、高校生8人を集め、レスリングのワークショップを開いた。補習校に通う中1のシャープ真理さん(13)は、ニュージャージー州女子ジュニアでの優勝経験があり、真優選手と組む貴重なチャンスを得た。真優選手は「わ、強いね!」とコメントしていた。
生徒は「強い相手とがっつり組んでしまった時の脱出方法は?」などと質問。腕と頭を使って振り切る技などを教わって、実際に何度も練習した。真優選手と翔大コーチは、生徒らと組んで相手の腕をつかむ位置や自分の頭の動かし方などを具体的に「伝授」した。
金メダリストから直に技を教えてもらったことについて、ニューヨーク州の高校生ネファソンさん(17)は、「とても具体的な指導で、固定観念にとらわれないで、いろんなパーツを組み合わせていくことの大切さを学んだ。大学に行ってもレスリングを続けたい」と話した。ニコラスさん(17)は、「世界のトップの女性の強さと速さを目の当たりにした。すごい!レスリングに病みつきになりそうだ」とコメントした。
真優選手は、勝ち続けるためのメンタルな面での質問にも答えた。試合に向けた準備としては、毎日「練習ノート」に技の内容、良かった点、悪かった点を書き出し、試合に持っていって頭の中で整理をするという方法を話した。試合中は、「髪をつかんだりする人もいるが、何があってもいつも冷静に、慎重にというのを心がけている」という。
真優選手は、ワークショップについて「みんな真剣!私も頑張らないと、と思いました」と感想を語った。 同選手は、ウィスコンシン州とニューヨークで米国人選手らとの練習をする目的で渡米。パリ五輪での2連覇に向けて、綿密なトレーニングと練習を日々続けている。
(写真と文、津山恵子)




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