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共同通信
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【キーウ共同】「国際女性デー」の8日、ロシアの侵攻を受けるウクライナでも、親類や知人の女性に花束を買い求める男性の姿が多く見られた。だが女性や子供、お年寄りは国外に逃れている人も多く、花を買い求める人は激減したと嘆く生花店もある。本来はお祝いムードにあふれる日にも、戦争の暗い影が落ちた。
8日、首都キーウの中心部の花屋は朝から大忙し。地下鉄駅に通じる地下道で花を売り続けて35年になるイエレナ・アントノワさん(59)は「国際女性デーは、ウクライナ人の心に刻み込まれた日」と話す。
例年なら休日となるため、前日には職場の同僚女性に贈る花を買い求める男性が殺到する。だが戒厳令下の今は公式には「祝日」ではないため比較的静かというが、花を買い求める男性が途切れることはなかった。
ウクライナは総動員令により、18~60歳の男性は原則として出国が禁じられている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、7日時点で欧州に逃れたウクライナ人は810万人に上っており、離れ離れになっている家族も多い。