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共同通信
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熊本市の慈恵病院が設置し、親が育てられない子を匿名でも受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を巡り、市児童相談所が昨夏、子に出自を伝える「真実告知」に関する初の実態調査をしていたことが、市児相への取材で14日、分かった。受け入れた子を育てる養親らが対象。現状を把握し、告知の在り方の検討や、相談しやすい体制づくりに生かしたい考え。結果公表を検討している。
ゆりかごは2007年に設置。運用を検証する市専門部会の報告書(21年6月)によると、20年3月末までに計155人が預けられ、8割が特別養子縁組や里親、施設委託で養育。残りの約2割の中には、実親らに引き取られた子もいる。
日本も批准する「子どもの権利条約」は、「できる限り父母を知る権利」の保障を明記している。設置当初に1歳未満で預けられた子は、あと数年で成人の18歳になる。出自情報の取り扱いや、伝え方の検討は急務だ。 情報公開請求で入手した文書や取材によると、市児相は養親や施設へアンケート用紙を郵送した。