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共同通信
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【ハラブジャ共同】イラクの旧フセイン政権が同国北東部ハラブジャで化学兵器を使い、少数民族クルド人住民ら約5千人を殺害した「ハラブジャの虐殺」から35年となった16日、現地で追悼式典が開かれ、遺族らは惨劇を「忘れない」と誓った。ウクライナ侵攻を続けるロシア軍が化学兵器を使うのではないかと懸念する声もあった。
虐殺が起きたのはイラン・イラク戦争末期の1988年3月。フセイン政権は、イラクのクルド人勢力がイランと関係を強めているとして掃討作戦を進めていた。攻撃には毒ガスが使われ、遺体が散乱する映像は衝撃を与えた。生存者は後遺症に苦しんできた。
式典には遺族や住民らが多数参列。当時2歳の息子や父親ら多くの親族を亡くした女性ロシナ・ハマさん(55)は「サダム(フセイン元大統領)は殺人鬼だった」と非難した。祖父母が犠牲になった男性シャド・ハイダさん(25)は「化学兵器はたくさんの人を殺害する」と述べ、ロシア軍によるウクライナでの使用の可能性を危ぶんだ。