袴田さん再審、特別抗告へ

Published by
共同通信
袴田巌さん

 1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件を巡り、死刑が確定した袴田巌さん(87)の第2次再審請求の差し戻し審で、東京高検が再審開始を認めた13日の東京高裁決定を不服として、最高裁に特別抗告する方向で検討していることが16日、関係者への取材で分かった。期限は20日。最高裁は2020年に高裁に差し戻す決定をしており、改めて再審の可否を判断することになる。

 第2次請求では2度の開始決定が出たが、審理はさらに長期化する見通し。袴田さんは高齢で意思疎通も難しく、弁護側は特別抗告の断念を求めている。検察側への反発は必至だ。

 再審開始には無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見することが必要になる。検察側はこれを満たさず、特別抗告の要件である判例違反などがあるとみているもようだ。

 高裁は13日の決定で弁護側の主張を全面的に認め、確定判決が「犯行着衣」と認定した衣類5点の証拠を捜査機関側が捏造した可能性が極めて高いと指摘していた。