ダライ・ラマ後継は輪廻転生で

Published by
共同通信
インタビューに応じるチベット亡命政府のペンパ・ツェリン首相(共同)

 インド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府のペンパ・ツェリン首相は19日までに共同通信と単独会見し、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(87)の後継者は、死去後に生まれ変わりを探す「輪廻転生」という伝統制度で選ばれるとの認識を示した。ダライ・ラマを批判する中国が介入し別の後継者を立てる事態を警戒し「宗教的事柄であり、関与すべきでない」とけん制した。

 ダライ・ラマは中国人民解放軍の進駐に反発するチベット人僧侶らの抵抗運動が起きた1959年3月のチベット動乱で亡命。89年にノーベル平和賞を受賞した。中国は独立を図る「分裂主義者」と批判し、後継者の決定権を主張している。

 ダライ・ラマは中国への警戒から、生存中の後継指名など伝統的な輪廻転生を変更する可能性を示唆したことがあり、選定方法に注目が集まっている。ツェリン氏は「ダライ・ラマに直接尋ねたことはない」としつつ「他の方法でなく輪廻転生で決まるだろう」と表明した。(ダラムサラ共同)

7日、法話の前に僧侶の頭に手を置くダライ・ラマ14世=インド北部ダラムサラ(共同)