イタリア当局、移民救助船を押収

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共同通信
イタリアのメローニ首相(ロイター=共同)

 【ローマ共同】イタリア当局は26日、同国最南端の島ランペドゥーザで、正体不明の芸術家バンクシーが資金提供した非政府組織(NGO)の移民救助船「ルイーズ・ミシェル号」を押収したと発表した。地中海での救助船の活動を規定した法令に違反した疑いが持たれているという。ANSA通信などが報じた。

 NGO側は「今この瞬間にも島の目の前で数十隻の船が遭難している。救助を妨げられるのは受け入れられない」としている。

 昨年10月に誕生したメローニ政権は不法移民排斥を掲げ、法令で救助活動を終えた船は直ちにイタリアの港に向かうことを義務付けた。当局によると、ルイーズ・ミシェル号は海上で移民を救助した後、当局が指示した港に向かわず、救助活動を継続したとされる。

 イタリアでは今年に入り、アフリカなどからの移民が急増し、今月23日までに約2万人が海路で到着した。2月には南部カラブリア州沖で移民船が難破し、乳幼児を含む90人以上が死亡する事故も起きた。