Published by
共同通信
共同通信
文化庁は27日、京都府が京都市内に整備した新庁舎での業務を開始した。東京からの移転に当たって、食文化推進本部や文化観光推進本部を新設。各地の伝統的な食文化の継承や国内外へのPR、文化施設を核とした観光振興に力を入れる。中央省庁が本庁を地方に移すのは初めて。ただ最終的に京都を拠点にするのは全職員の約7割で、国会対応や業界団体との調整が頻繁な部署などで働く約3割は東京に残る。
政府機関の移転は地方創生政策の目玉として政府が2014年に打ち出した。しかし中央省庁では消費者庁や総務省統計局が一部業務の拠点を移すにとどまっていた。
移転に伴い「食文化」と「文化観光」のほか、長官を補佐する長官戦略室も京都に設置する。25年大阪・関西万博に向けて訪日客らに各地の文化資源を体感してもらう「日本博2.0」も本格始動。国立の文化財修理センターも30年度までに京都で整備する。世界的に評価の高い国内の近現代建築をアピールするため、新たな保護の枠組みも検討する。