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共同通信
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作家に付きまとったり、連絡先を聞いたりするのはやめて―。1月、大阪市の画廊がSNSに投稿した警告文が注目を集めた。「ギャラリーストーカー」とも呼ばれ、近年関心が高まっている。ただ、犯罪未満のハラスメントは対策が難しく、関係者は頭を悩ませる。
発信したのは画廊オーナー吉田隆博さん。1月に福岡市で女性が刺殺され、元交際相手が逮捕された事件を受け、注意喚起の必要性を感じた。画廊で作家を1人にしないよう気を付けているという。
警告文では、迷惑行為として「作家を呼び捨てやちゃん付けで呼ぶ」「長時間話し込む」「外で会うことを要求する」と列挙。強制退去命令や警察への通報もあり得ると明記した。
だが、犯罪にならない程度の迷惑行為は本人の自覚も乏しく、対応が難しい。吉田さんは警告文を画廊の入り口にも掲示し、「決まりを作っておくと注意しやすい」と語る。
「表現の現場調査団」が2020~21年に実施した調査には「しつこくデートの誘いを受けた」「抱きつかれた」など、ギャラリーや展示場での被害体験が多数寄せられた。