政府、同志国軍の支援制度決定へ

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共同通信
新設する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の概要

 政府は、日本の安全保障環境の改善に生かすため、民主主義や法の支配といった価値観を共有する「同志国」の軍に資機材などを提供し、能力向上を支援する無償資金協力の枠組みを新設する。非軍事分野に限定してきた政府開発援助(ODA)とは別枠で、4月中に国家安全保障会議(NSC)で制度を決定。夏ごろフィリピン軍への沿岸監視機材の供与に関して合意する方向で調整を進める。複数の政府関係者が1日、明らかにした。

 東・南シナ海で軍事活動を活発化させる中国への対応を念頭に、東南アジアなどの途上国の軍を直接支援し、抑止力向上を図る狙いがある。ただ中国との関係が深い国も多く、思惑通りの効果を得られるかは不透明だ。

 新制度の名称は「政府安全保障能力強化支援(OSA)」。政府は昨年12月に閣議決定した国家安全保障戦略に、同志国軍への協力枠組みの新設を明記しており、その具体化となる。

 協力対象は、国際紛争に直接関わらない分野に限定される。