「こども家庭庁」本格始動へ

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共同通信
1月、記者会見で「こども家庭庁」のロゴを発表する小倉こども政策相=東京都千代田区

 子ども関連政策の司令塔となる「こども家庭庁」が3日、本格的に業務を開始する。深刻化する少子化対策のほか、虐待や貧困など多様な課題に横断的に取り組み、行政の縦割り打破を狙う。

 首相直属の組織として1日に内閣府の外局に設置。厚生労働省と内閣府の関連部局を移管し、国会近くの「霞が関ビルディング」に入る。

 職員数は民間登用を加え計350人(国立児童自立支援施設を含めると430人)。担当閣僚は小倉将信こども政策担当相で、事務方トップの長官は厚労省出身の渡辺由美子氏が務める。

 年間出生数が80万人を割り込むなど、急速に進む少子化に歯止めをかけるため、政府は3月に政策のたたき台となる試案を公表。児童手当拡充や育児休業給付引き上げ、高等教育費の負担軽減などが並び、こども家庭庁が体系的に取りまとめる。財源は首相の下に新設される会議で検討される。

 幼稚園や小中学校などの教育分野は引き続き文部科学省が受け持ち、「幼保一元化」は見送られた。いじめや不登校といった課題に連携して対応できるかどうかが鍵となる。