「先駆的な作曲家」世界が悼む

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共同通信
2018年、「オーケストラの演奏は社会の縮図。人間同士で息を合わせて作ることを感じてもらえたらうれしい」と話していた坂本龍一さん

 世界各国のメディアが3日までに音楽家、坂本龍一さんの死去を伝え、多彩な活動を振り返り「先駆的な作曲家」だったなどと悼んだ。

 英紙ガーディアン電子版は「日本のポップ音楽の草分け」が亡くなったと速報。実験的音楽や映画音楽を含め、「極めて多彩なキャリア」を誇ったとたたえた。BBC放送電子版も、日本の電子音楽界における「偉大な音楽家」だと紹介し、その実験的手法が高い評価を受けたと伝えた。

 中国メディア「財新ネット」は、清朝最後の皇帝の人生を描いた映画「ラストエンペラー」で坂本さんの音楽が流れる場面を取り上げ、「多くの中国の人々にとって、これが坂本さんとの“初めての出会い”だったかもしれない」とした。坂本さんは同作の音楽で、米アカデミー作曲賞やグラミー賞を受賞した。

 米公共ラジオはテクノ・ポップの「ゴッドファーザーが亡くなった」と報じ、電子音楽をポピュラーソングに導入した「先駆的な作曲家かつプロデューサーだった」とたたえた。

 CNNテレビは「世界的に有名な日本の作曲家で音楽家」と説明した。

パリで、映画「戦場のメリークリスマス」の大島渚監督(右端)や出演したデビッド・ボウイさん(右から2人目)と記念撮影する坂本龍一さん(左から2人目)=1983年5月(AP=共同)