スマート農業情報、不正流出か

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共同通信
スマート農業情報流出の構図

 国内の電子機器メーカーに勤務していた技術者の中国人男性が昨年、ITを活用したスマート農業の情報を不正に持ち出したとして、警察当局が不正競争防止法違反容疑で捜査していたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。男性はインターネットの交流サイト(SNS)を通じて、この情報を中国にある企業の知人2人に送信していた。

 警察当局は、流出した情報が不正競争防止法で定める「営業秘密」に当たるとみて同法違反容疑で事情聴取するなどして捜査を進めたが、その後、男性は出国した。

 男性が中国共産党員で、中国人民解放軍と接点があったことも判明。出国により今後の捜査は難しいとみられるが、中国は食料安全保障対策の一環として、自国農業の「現代化」を推進しており、情報を持ち出した背景事情として国家機関が関与していたかどうかなどの分析を続けている。

 捜査関係者によると、電子機器メーカーから持ち出された疑いがあるのは、ビニールハウスの室温や土壌の水分量などを、農作物の栽培に最適な環境に保つ機器のプログラムに関する情報。