新型コロナの起源、特定できず

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共同通信
新型コロナ流行初期に多数の感染者が出た「華南海鮮卸売市場」=2022年12月、中国湖北省武漢(共同)

 中国疾病予防コントロールセンターのチームは5日、新型コロナウイルスの集団感染が初めて確認された湖北省武漢の「華南海鮮卸売市場」で流行初期に採取していた検体の分析結果を英科学誌ネイチャーに発表した。タヌキなど宿主となり得る動物がいたことを確認したが、「これらの動物が感染していたと証明できない」とし、新型コロナの起源は特定できなかった。

 チームは2020年1月1日~3月30日、店舗や冷蔵庫に残っていた動物の死体などから約1400件の検体を採取。分析の結果、店舗や下水道で採取した検体から新型コロナが検出された。特に西側の区域の検体が多かった。「多くの人が訪れる市場で感染が広がってクラスター(感染者集団)を引き起こした可能性がある」と指摘した。

 一方、動物の検体からはいずれも新型コロナが検出されなかった。タヌキやアナグマの仲間などウイルスに感染する可能性がある動物は市場にいたものの、「動物から人に感染したことを証明できない」としている。