日銀の黒田総裁、道半ばで退任

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共同通信

 日銀の黒田東彦総裁(78)は7日、任期満了を8日に控えて退任の記者会見を開き、歴代最長となった10年の在任期間中、一貫して続けてきた大規模な金融緩和策は「適切だった」と述べた。物価が下がり続けるデフレではない状況に導いたことを挙げ「効果を上げた」と強調した。ただ物価上昇率を2%で安定させ、それに見合う賃金上昇も実現する目標を達成できず、道半ばで退くことは「残念」と語った。

 政府は7日の閣議で、後任の第32代総裁に経済学者の植田和男氏(71)を9日付で任命する人事を決定した。物価と賃金がそろって上昇する好循環の実現と大規模緩和策からの脱却という重い課題は引き継がれる。