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共同通信
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【シアヌークビル共同】カンボジア南部シアヌークビルを拠点とした特殊詐欺グループとみられる日本人19人は海辺のリゾートホテルで数部屋にこもり、“職住近接”で詐欺行為を繰り返したようだ。作業用とみられる部屋には十数台の事務机がずらりと2列に並び、その間を延長コードが整然と伸びる様子はまるでオフィスのようだった。
ホテルは白い外壁に黒っぽい屋根で、南国の青空に映える造り。道を挟んだ白い砂浜は数キロにわたって続く観光名所で、犯罪拠点とは対照的だ。
「ホテル内に居住用と仕事用の部屋があった。ここで詐欺行為を重ねたのだろう」。カンボジア捜査当局の関係者によると、地元警察が踏み込んだのは1月下旬。部屋では多くの書類やメモが見つかり、工程表や通信機器を押収。各部屋は捜査当局の保全措置が取られ、窓の外から見える室内の様子は当時のままだ。
作業部屋にはホワイトボードが置かれ、日付の下にカタカナや漢字で名字などが記載されている。拘束が突然だったのか、上着がかけられたままのいすもあった。