外交青書、中国「戦略的挑戦」

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共同通信
中国の李強首相(右)と面会する林外相=2日、北京の中南海

 林芳正外相は11日の閣議で2023年版外交青書を報告した。台湾への武力行使を否定しない中国の対外姿勢や軍事動向に関し、法の支配に基づく国際秩序を強化する上で「これまでにない最大の戦略的な挑戦だ」と明記。ロシアと軍事協力を強化させる動きに「重大な懸念」を表明した。ウクライナ侵攻を続けるロシアの核威嚇は「言語道断だ」と厳しく批判した。

 東・南シナ海で力による一方的な現状変更の試みを継続する中国に対し、22年版の「安全保障上の強い懸念」から表現を強めた。北朝鮮は核・ミサイル開発を急速に進展させていると指摘。「日本周辺の安全保障環境は戦後最も厳しい状況にある」と危機感を示した。

 新興・途上国を意味する「グローバルサウス」について、外交青書で初めて記述した。国際社会が直面する課題への対応を通じて存在感が増しているとし「包摂的なアプローチで連携していくことが極めて重要だ」と訴えた。