戦争犯罪、7万7千件を記録

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共同通信
インタビューに答えるウクライナのアンドリー・コスチン検事総長=キーウ(共同)

 【キーウ共同】ロシアが侵攻したウクライナのアンドリー・コスチン検事総長は14日までに共同通信の単独インタビューに応じ、「7万7千件の戦争犯罪を既に記録した」と述べ、殺傷や拷問、性暴力被害のほか、ミサイルで自宅を破壊されるなど私有財産を失ったケースがあると指摘した。「被害者に正義をもたらす」必要があり、ロシアの資産を没収できる仕組みづくりなど補償制度確立が急務だと訴えた。

 コスチン氏は、欧州連合(EU)が、ウクライナでの戦争犯罪捜査の証拠を保全するデータベースを構築したと紹介。ウクライナは、ポーランド、スロバキア、バルト3国、ルーマニアとの合同捜査チームにも加わっている。今後は、国際刑事裁判所(ICC)との捜査協力に消極姿勢だった米国とも収集した証拠の共有を進めるなど連携を深める考えを示した。

 またICCが、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出したことを「歴史的決定だ」と評価。着手から5カ月で逮捕状を発出できた背景には、ウクライナの検察や司法当局の「100%の協力があった」と強調した。