爆発、逃げる聴衆「怖かった」

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共同通信
岸田首相の演説会場に、筒状のものが投げ込まれて上がった白煙=15日午前、和歌山市の雑賀崎漁港(目撃者提供、画像の一部を加工しています)

 和歌山市の雑賀崎漁港を訪れた岸田文雄首相の近くに15日、筒状のものが投げ込まれて爆発した。「きゃー」。約200人の聴衆が逃げようと一斉に動き出し、会場は騒然となった。居合わせた市民らは「怖かった」と口々に衝撃を語った。

 首相の演説を聞きに来た会社員谷本直弥さん(31)は、筒状のものを投げたとみられる男が取り押さえられる様子を目撃した。その10秒ほど後に爆発音が鳴った。男は何かを叫んだり、暴れたりする様子はなかったという。谷本さんは「普段は静かな漁港。とても怖かった」と話した。

 現場付近で「ドン」という音を聞いたというタクシー運転手の上村将人さん(36)は「聴衆はパニックになり、叫びながら逃げていた」と振り返った。近くの釣り堀で働く50代女性は「大きな音がして何かが爆発したと思った。安倍晋三元首相の事件がまた起きたと思い、すぐ様子を見に行った」と不安げだった。

 現場で一部始終を目撃した池田保さん(78)は「(投げ込まれたものが)誰かに当たっていたら、ものすごいけがをしただろう」と語った。