編集部が気になった1週間の出来事
NY市のプリK、3万人の定員割れ コロナ禍で子どもの数が減少
激戦との印象に反して定員割れの地域があることに驚き。(編集部 I)
ロボット警察犬「ディジドッグ」導入へ NY市警、人質事件などに活用
前回は短命に終わったロボット犬。市民の心を掴めるか。(編集部 A)
「チャットGPT規制考えず」
既に存在している以上、リスク低減に向けた対策は必要だとしてもツールとしてある程度は使いこなせるようにはなりたいですね。(編集部 Y)
編集後記 “えっ、アメリカで薬が足りない!?”
皆さん、一週間お疲れさまでした。それにしても、暑かったですねえ。
木曜には、NYCの気温が90℉ (32℃)ということで、1977年の記録を45年ぶりに更新したようです。金曜には花粉症シーズン長期化の記事を取り上げましたが、これも地球温暖化の影響のようで、CNNによると、温暖化により、植物の成長時期(= 氷結が起こっていない時期)が早く、長くなり、アレルギーも悪化しているとのことです。
例えば、今年Washington DCでは、例年よりも1ヵ月ほど早い2月8日には、既に“多くの”花粉(= 成長時期開始)が観察されていますし、約50年前に比べて、NYなどの北東部では、15日ほど植物の成長期が長くなっているとのことです。
また温かく湿った天気の増加により、カビも増えており、それがアレルギーの増加・悪化につながっているとのことです。ちなみに、アレルギー対策に関しての記述もありますが、特に特別な対処法があるわけではありませんので、早めにアレルギー薬をのむということでしょうか。
大人の4人に一人、子供の5人に一人がアレルギーを持っていると言われるアメリカでは、アレルギー薬は、一般用薬品(“OTC”)として、代表的なZyrtecやAllegraを含めて、手軽な価格で手に入ります。一方で、アレルギーや喘息の薬に関しては、最近もNJで薬の不足懸念が取り上げておられましたので、必要な分は、事前に確保しておかれるのがいいと思います(買いだめは、他の患者さんへのご迷惑にもなりますので、ご注意を!)。
一方で、アメリカにおける薬品不足は悪化・常態化しており、あわせて注意が必要かと思います。つい最近もCNNが、新薬不足が、2022年は、2021年よりも30%悪化し、昨年末時点では、過去5年来最悪の295もの新薬が不足していたとの上院報告を記事にしています。3月22日時点では、130までに改善しているようですが、常時平均100種類の薬が不足しています。
世界の新薬開発をリードするアメリカで、薬が不足する理由はいくつかあるのですが、薬品不足は今後も継続的におこることが懸念されます。
理由:
1)薬品業界の統合により、特定の薬品製造会社が限られ、特定会社の労働者不足や生産問題の影響を大きく受けるようになったこと
2)ジェネリックに代表される低価格薬においては、一錠あたりの利益が極めて小さいため、経営が不安定もしくは製造をつづけるインセンティブが低いこと(キャパ削減候補)
3)薬の原薬製造工場の8割がアメリカ国外(特に、中国とインド)にあり、かつそれらの製造場所を統括的に補足している機関がアメリカにないために、対策が打ちづらいことということ…)
さらに、金曜日には、New York Postから、(アメリカの子供の約10人に一人に症状がみられる)ADHD(注意欠如・多動症)の治療薬であるAdderallの不足に関する記事がありましたが、不足の原因として、スタートアップ企業によるTikTokを通じた同薬の使用をあおるような広告戦略が挙げられていました。こちらは、不必要な薬品使用だけでなく、必要な患者への供給不足としても、おおいに懸念すべき点かと思います。
このようななか、我々としてできることは限られていますが、“病は気から”という言葉もありますので、まずは皆さんに日頃のストレスを解消していただければと思い、最近メルマガで“NYイベント情報”を載せさせていただいています。(やり始めて、改めてNYでのイベントの多さに驚かされました。)
それらのNYイベント情報をご覧いただきながら、せっかくの週末、リラックスして、NYの春を楽しまれてみてはいかがでしょうか。もちろん、アレルギーに気を付けたうえで!
ではよい週末をお過ごしください。
編集部より
今週の1枚