痴漢撲滅へ、省庁横断で対策

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共同通信
性犯罪などの相談を受け付ける専用サイト「Cure time(キュアタイム)」の画面

 政府は18日までに、電車などの痴漢撲滅に向けた政策パッケージを取りまとめた。学校や鉄道会社と発生防止や被害を申告しやすくする取り組みを進め、多発する場所や時間帯で警察が重点的に取り締まるなど省庁横断で対策を推進する。

 パッケージでは、被害に遭った児童、生徒が遅刻や欠席を避けるため届け出や相談を諦めることが多く、不利益をなくすように文部科学省が教育委員会に要請。受験生の被害では、受験機会の確保に努めることを高校や大学に周知する。

 国土交通省は、アナウンスの工夫など効果的な対策を鉄道各社で共有してもらい、車内防犯カメラの設置基準も検討。警察庁は取り締まりのほか、捜査の流れなどを記したパンフレットを学校や駅で配布。対応する警察官の性別の希望を確認するなど被害者の負担軽減を図る。

 痴漢など性犯罪、性暴力の相談は警察のほか、全国共通の電話番号「#8891」や専用サイト「Cure time(キュアタイム)」でも受け付けている。

 警察庁の統計で、2021年に全国で事件として摘発された痴漢は1931件。