サウジ、中国と核協力拡大

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共同通信
サウジアラビアのムハンマド皇太子(ロイター=共同)、中国の習近平国家主席、イランの最高指導者ハメネイ師(ゲッティ=共同)

 中国の仲介で3月、イランとサウジアラビアが外交関係正常化で合意した際、サウジが民生用の核開発で中国との協力を拡大すると表明したことが19日、外交筋の話で分かった。中国は歓迎し、イランは協力を容認。サウジは中国に軍事転用の恐れがあるウラン濃縮技術の移転を要請しており、実現すれば中東で核拡散リスクが一気に高まる。サウジが同盟関係にある米国への依存を核開発でも減らし、中国への傾斜を強めている実態が明らかになった。

 中国は原子力技術の移転や支援を通じて国際的な影響力の拡大を狙っており、核燃料サイクルの実現を目指すサウジと思惑が一致。サウジは中国に対して、原発燃料用の5%以下の低濃縮ウラン製造と研究開発を行いたいとの希望を伝達した。

 外交筋によると、サウジは核兵器獲得につながらない範囲でイランの核開発を認めるとともに、中国の技術支援を受けて自国の開発を推進する強い意欲を表明した。

 対立するイランとサウジが互いに原子力の平和利用を認め合うことで和解の障害を取り除く案は、中国が提示して主導した。