世襲批判の中、自民岸氏が制す

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共同通信
岸信千世氏

 衆院山口2区補欠選挙は23日投開票され、自民党新人の元衆院議員秘書岸信千世氏(31)=公明推薦=が、無所属元職平岡秀夫氏(69)との一騎打ちを制し、初当選を確実にした。岸氏は父で前防衛相の信夫氏辞職に伴う補選で、世襲に対する厳しい視線が注がれる中、旧民主党政権下で法相を務めた平岡氏を退けた。

 岸氏は、米軍岩国基地(山口県岩国市)の騒音問題や少子高齢化の課題に取り組むと主張。信夫氏について「住民の皆さまの心に寄り添った政治を強く意識してきた」と語り、政治姿勢を受け継ぐと強調した。選挙区内の首長や県議らが支援し、組織戦を展開した。

 平岡氏は世襲政治を批判し、上関原発(山口県上関町)の建設計画撤回や安全保障政策の見直しを提唱。「軍拡よりも子育てに血税を使うべきだ」と訴え、2014年以来の立候補で票の掘り起こしに注力した。菅直人元首相ら立憲民主党の一部議員も応援に駆け付けたが、及ばなかった。