日本初の月面着陸挑戦へ

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共同通信
月面着陸に関する発表会場に展示された着陸船の模型=25日午後11時56分、東京都江東区の日本科学未来館

 宇宙ベンチャーのispace(アイスペース、東京・袴田武史社長)は26日未明、同社の開発した着陸船で月面への降下を始めた。日本の宇宙船は官民含めて着陸したことがなく、成功すれば日本として初の月面着陸。民間企業としては世界初の事例となる。

 アイスペースの月面探査計画「HAKUTO(ハクト)―R」の第1弾として実施。同社は月への物資輸送サービスの実現を目指しており、今回は着陸技術の実証などを目的としている。

 着陸船は、高度100キロで月の周囲を回る軌道を飛行。4月26日午前0時40分ごろから、主エンジンを噴射して速度を落とし、月面への降下を開始。機体の姿勢を調整しながら1時間ほどかけて着陸する。目標地点は月の北半球だ。

 機体は高さ約2.3メートルで幅約2.6メートル。上部に荷物を搭載することができる。今回は宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタカラトミーなどが開発した変形型月面ロボットや、アラブ首長国連邦(UAE)の探査車など計七つを月面へと運ぶ。カメラも備えており、航行中には月や地球の撮影に成功した。