景気10地域持ち直し維持

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共同通信
全国財務局長会議に臨む秋野公造財務副大臣=25日午前、東京都千代田区

 財務省は25日、全国財務局長会議を開き、4月の経済情勢報告を示した。全国11地域のうち北海道を除く10地域で「緩やかに回復」「持ち直している」などとし、前回の1月報告から景気判断を据え置いた。半導体生産などが一部で低調だった一方、インバウンド(訪日客)の回復を背景に宿泊などサービス業の客足が戻ってきたことを考慮した。北海道は観光需要の高まりを踏まえ、唯一判断を引き上げた。

 全国は「緩やかに持ち直している」との総括判断を維持した上で表現を変更し、物価上昇に加え海外経済減速の影響に言及した。先行きは景気の持ち直しを見込み、世界的な金融引き締めに伴う海外景気下振れの影響をリスク要因に挙げた。

 項目別では、個人消費が全国的に持ち直していると評価。北海道と沖縄で上方修正し、残り9地域は据え置いた。

 生産活動は東北、関東、北陸、近畿、中国、四国、九州南部の7地域で引き下げた。海外経済の減速を受け、スマートフォン向け半導体などの生産活動が鈍ったことを反映した。