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共同通信
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広島市で5月に開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)について、共同通信は全国の被爆者にアンケートを実施した。回答者521人のうち67.4%が「核なき世界」の実現に向けた「具体的成果があるとは思わない」と答えた。被爆地での開催自体は88.3%が評価した。
広島選出の岸田文雄首相は核なき世界の実現を掲げるが、ロシアのウクライナ侵攻で核抑止力強化を訴える声が国際的に高まっている上、核の脅しを続けるロシアが参加する枠組みでもない。冷ややかとも言える回答結果は、厳しい国際情勢や議論をリードすべき日本政府への失望を反映した形となった。
アンケートは、共同通信が以前行った被爆者調査の回答者約1400人を対象に実施。このうち38.1%が3月末までに回答した。
成果を期待できない理由は「ロシアや中国など核保有国の不参加」(36.2%)が最多。続いて「議長国となる日本のリーダーシップに期待できず」(22.8%)、「参加国全てが核保有国か核の傘の下にある」(22.2%)だった。