薬悪用の性犯罪早期認知へ

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共同通信
警視庁が開発した検査キット「D1D plus」

 睡眠導入剤など「デートレイプドラッグ(DRD)」と呼ばれる薬物を使った性犯罪を根絶しようと、警視庁は相談に来た人が薬物を使われたかどうかをその場で簡易鑑定できるキットを、全国で初めて開発した。性犯罪捜査を担当する女性警部は「事件性を早期に見極め、第2、第3の被害を防ぎたい」と話す。

 捜査1課によると、検査キットの名称は「D1D plus」。キットの特殊な用紙に尿をかけて数分待つと、線の出方で体内のDRDの有無が分かる。捜査1課がDRDを断ち切るとの思いを込め、略称の真ん中に「1」を差し込んだ。

 DRDを用いた性犯罪はここ数年、都内で毎年20件前後起きている。飲食物に混ぜられて意識や記憶を失い被害に遭う人が多いが、従来の本鑑定では判定が出るまで1カ月ほどかかるケースも。この間、相談者が「酒を飲み過ぎたせいではないか」と自分を責め、捜査協力が得られなくなることも多々あったという。