補習授業校の魅力ニュージャージー補習授業校

補習授業校の魅力

平日は現地の子ども達と一緒にアメリカの小学校に通い、充実した学びの時間を過ごしている子ども達。
そんな彼らが、週末などの限られた時間で日本の教育を受けるのは、決して簡単ではありません。
子どもだけでなく家族が一丸となって取り組み、一つひとつの小さな努力がどのように身を結び、彼らの将来に役立ったのでしょうか。

ニュージャージー補習授業校

土曜日には日本の教育を
グループ学習を推進し、学習意欲を引き出す

日本の学習指導要領に示された「主体的で対話的な深い学び」を目指し、お互いに学びあい、高めあうグループ学習を推進しています。充実した学校行事や日本の習慣や伝統に触れて、楽しく日本語と日本文化を学ぶ学校です。

数人がチームになってお互いに問題の答えを確認し合うなど、お互いに学びあい、高めあうグループ学習を行なっています。

本校はニュージャージー州のパラマスで土曜日に授業を行っています。4月現在の在籍人数は、幼児部年中組から高等部2年生までと国際学級を含め合計373名です。教職員数は37名です。

日本人及び日系人の子どもたちのために、日本の学習指導要領に準拠した国語、算数・数学、生活・社会科の授業を実施しています。土曜日に借用しているParamus Catholic High Schoolは、周囲を緑に囲まれた自然豊かな場所にあります。

土曜日の朝は、子どもたち、教職員、双方から「おはようございます」という元気な挨拶から一日の学習が始まります。平日現地校に通い英語で学習している子どもたちは、一週間ぶりに会う友達と日本語で仲よく学んでいます。校内では基本的には英語の使用を禁止しています。幼児部と初等部１年生は発達段階を考慮し、各学級に1名アシスタントを配置し、担任と2名体制で教育活動を行っています。その他、国籍や学齢に関係なく、日本語や日本の文化を学ぶことができる国際学級を設置しています。

行事では、日本と同じ体験をしてもらうために、入園･入学式、遠足、運動会、文化祭、毛筆体験、七夕飾り、新年の集い、ひな祭り、学習発表会、卒園・卒業式などを実施しています。

特に運動会は、子どもたち、保護者、教職員が一体となって創り、楽しむ一大イベントになっています。子どもたちは、このような授業や行事を通して、知・徳・体のバランスの取れた国際性豊かなグローバルな人材へと育っています。

在校生紹介

２つの語学を同時に学ぶ難しさから
強い精神力と忍耐力を養うことができた

在校生：Lさん
在米期間：12年
学部：ニュージャージー補習授業校初等部
得意分野：ソフトボール、フルート

Q1. 現在の語学環境について
2歳の時から現地の幼稚園、小学校、ミドルスクールに通い、補習校には幼児部から通っています。家庭では日本語、習い事などは全て英語です。テレビや音楽などは日本語と英語半々ぐらいです。

Q2. 補習校で学んで良かったことは？
アメリカで生まれ育っていますが、補習校に通っているおかげで、話す、伝える、書くことを日本語でできるようになりました。補習校の授業を受け、宿題、復習などに取り組むことで、夏の一時帰国中に日本の学校に体験入学した時、問題なく授業に参加できました。補習校ならではの運動会、児童会活動、将棋クラブや茶の湯クラブ、硬筆や作文の校内コンクールに参加し、良い体験をしています。日本人の友達ができ、帰国しても日本各地に補習校で出会った友達がいるのも貴重な財産です。

Q3. 補習校を継続するにあたり、日常生活で不具合などはありますか？
現地校での勉強や習い事もあって大変な時もあります。現地校と補習校の宿題、現地校のスペリングテストに補習校の漢字テスト。金曜日に現地校の友達はみんな喜びながら下校しているけれど、私は土曜日の補習校があるので嬉しい金曜日ではありません。友達の誕生日会が土曜日にあると行けなくて、悲しい思いを何度もしました。また、スポーツの試合が補習校と重なると、どちらをとるか迷うときもあります。

Q4. 補習校での学習が今後、自分の未来にどのように活かせると思いますか？
補習校に通っているおかげで、日本の大学に進学することや、将来は日本で仕事を探すこともできます。日本語と英語の二つの言語を使った仕事もできると思います。日本語で勉強するのは大変だけれど、友達も経験も増え、将来の選択肢も2倍以上に増えると思います。

在校生紹介

日本語の繊細な言い回しから
自分らしい豊かな表現力を身につける

在校生：Sさん
在米期間：15年
学部：ニュージャージー補習授業校中等部
得意分野：テニス、ピアノ

Q1. 現在の語学環境について
現地校では英語で授業を受け、土曜日に補習校で日本語の授業を受けています。現地校ではそれに加え、フランス語を学んでいます。家庭の言語環境は、大体は日本語で時々妹と英語で言葉を交わしたりします。

Q2. 補習校で学んで良かったことは？
一番学んで良かったことは漢字です。僕は日本語の本をたくさん読むので、漢字を勉強していて本当に良かったとつくづく思います。また、補習校ではアメリカに普通に住んでいては聞けない、いろんな新しい言葉や言い回しに触れることができるので、日本語の理解力や語彙力が向上するのがわかります。

Q3. 補習校を継続するにあたり、日常生活で不具合などはありますか？
やはり週末が短くなります。僕はテニスでたまに小さな大会に出ていますが、大体の場合、大会は週末に行われるので、出場のチャンスが少なくなります。しかし、補習校に行くことで平日の過ごし方が変わるというのは基本的に僕の場合ありませんでした。宿題はそこまで出るわけでなく、復習にちょうどいい量が出され、現地校の勉強に支障はありません。現地校の部活やアクティビティも頻繁にしています。

Q4. 補習校での学習が今後、自分の未来にどのように活かせると思いますか？
補習校に通っていたというのは僕の未来にとって大きな財産になると思います。国語、数学、社会はもちろん、補習校生活で出会った新たな友達や先生たちとのやりとりも僕にとって大事な経験になると思っています。今後、日本に行くたび、補習校で蓄えた数々の知識や経験を活かせたらいいなと考えています。

年間を通じて各種行事を実施しています。充実した学校行事から、日本の習慣・伝統に触れて、楽しく日本語と日本文化を学べる学校を目指しています。

卒業生紹介

米国と日本、分け隔てなくそれぞれの
社会に馴染める適応力をつけられる

在校生：Sさん
在米期間：15年
学部：ニュージャージー補習授業校中等部
得意分野：テニス、ピアノ

Q1. 子どもの頃はどんな語学環境でしたか？
私はアメリカで生まれ育ちました。日本語は毎週の補習校や夏休みの一時帰国での体験入学、家族との会話を通して学び、英語は現地の公立学校で学びました。

Q2. 補習校には何年通っていましたか？
私がニュージャージー補習校に通ったのは、ニュージャージーに引っ越してきた小学校2年生から高校2年生までの9年間でした。

Q3. 児童生徒の時、補習校にはどのような印象を持っていましたか？
補習校に通うことで、私は日本の文化に触れ、日本語を学ぶことができました。特に、アメリカ育ちの私にとって、日本の映画やドラマで観ていた運動会や遠足、文化祭などの行事を通して、日本の文化に直接触れ、憧れていたものを実際に経験することができました。補習校にはとても楽しい思い出がたくさんつまっています。ただ、毎週土曜日の通学で、現地校の友達の誕生日会やお泊まりに参加できなかったことがあり、寂しい思いもしました。

Q4. 補習校に通ったことで、大学や社会で活かせる場はありましたか？具体的な例を出して教えてください。
私は大学卒業後、日本で就職し、現在は教育関係の仕事に携わっています。日本で就職できたのは、補習校で学んだことが役立ったからだと確信しています。小学生・中学生・高校生の間に毎週日本語で教科を学び、学校行事を通して日本の文化に直接触れ合えたこと、そして、アメリカでは接することのない敬語を身につけることができたことが、今の日本での生活に大変役立っていると感じています。アメリカで生まれ育った私が、現在何の不自由もなく日本の社会に馴染んで暮らすことができているのは、9年間の二ュージャージー補習校での学びがあったおかげだと心から思っています。

卒業生紹介

ひとつの物を異なる角度から
観察し、表現する柔軟性が育つ場

卒業生：Aさん
在米期間：米国生まれ、米国育ち
受験経験：アメリカの大学受験
年代：３０代
スポーツなど得意分野紹介：ランニング、テニス、ウェイトトレーニング

Q4. 補習校に通ったことで、大学や社会で活かせる場はありましたか？具体的な例を出して教えてください。
思考の柔軟性、共感性、グローバルな社会への適応性を養えたと思います。例として、ある時期、現地校と同じ数式が補習校でも教えられていたものの、視点やアプローチが微妙に異なったため、同じ数学問題でも状況に応じた多数の解き方があることを実感しました。そのような経験を駆使し、今はアメリカの大学で教授として統計学を教えています。今、振り返ってみると、補習校へ通う事は大変でしたが、恵まれた環境だったと実感しています。