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共同通信
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政府は、広島市で先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が開幕する19日、各国首脳による原爆資料館の常設展示視察を組み込む方向で調整に入った。複数の外交筋が12日、明らかにした。被爆の実相を説明し、岸田文雄首相が目指す「核兵器のない世界」実現に向けた機運を醸成したい考えだ。
資料館を巡っては、2016年4月に広島でG7外相会合を開いた際、当時の岸田外相やケリー米国務長官らがそろって内部を見学し、同年5月のオバマ米大統領による訪問につながった。ただ、オバマ氏は象徴的な展示物をロビーに集めた特設スペースを見たのみで、滞在時間も約10分と短かった。今回は被爆者との対話を含め、滞在時間を大幅に増やす方向だ。
日本政府関係者によると、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダからは既に同意を得た。バイデン米大統領は「核なき世界」の理念に理解を示しており、米政府の先遣隊も常設展示を含め資料館の下見を実施した。ただ米国内の世論に配慮し、視察内容の詳細を対外公表しない可能性もある。