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共同通信
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和歌山市の岸田文雄首相選挙演説会場で爆発物が投げ込まれた事件で、木村隆二容疑者(24)=火薬類取締法違反容疑で再逮捕=が昨年11月ごろに火薬の原材料を購入していたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。容疑者が被選挙権を巡り国に起こした訴訟が一審判決で敗訴となった時期と重なり、選挙制度への不満が事件の動機につながった可能性もある。事件は15日で発生から1カ月。和歌山県警は殺人未遂容疑を視野に捜査を進める。
一方、容疑者は県警の調べに一貫して黙秘。岸田氏演説の場を狙った理由は不明で、精神状態を調べるための鑑定留置も検討されている。爆発物に殺傷力があったかどうかも焦点で、県警は同素材で複製した上で爆発の再現実験を行う方針だ。
捜査関係者によると、兵庫県川西市の容疑者宅の自室から黒色火薬の成分を含む約530グラムの粉末を押収し入手経路を調べたところ、昨年11月ごろに原材料を購入していたことが判明。県警はこれらを調合しパイプ爆弾を自作したとみている。