被爆者の息遣い感じたか

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共同通信

 G7広島サミットが21日閉幕した。G7首脳による原爆資料館への訪問や被爆者との面会も行われ、核廃絶に向けた発信が期待されたが具体策は示されないまま。もう一つの被爆地・長崎の被爆者らは「被爆者の息遣いや、核の非人道性を感じたはずなのに」と肩を落とした。

 4歳で被爆したナガサキピースミュージアム(長崎市)専務理事の増川雅一さん(82)は、各国のリーダーが被爆の実相を目の当たりにすれば「核なき世界」への進展があると望んだが「がっかりだ」と嘆いた。

 昨年から、長崎を訪れる修学旅行生に自身の体験を伝えている。「被爆者の息遣いを感じながら話を聞けば、必ず心を動かされるはず」と考えている。19日に被爆者と面会したG7首脳も、立場上は踏み込んだことを言えなかったとしても「人間として衝撃を受けたはず」。増川さんはこれからも、悲劇が二度と繰り返されないよう、体験を語り続けたいという。