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共同通信
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上場企業の2023年の自社株買い額が、過去最高だった前年(約9兆2千億円)と並ぶ高水準になる見通しであることが27日、SMBC日興証券の調査で分かった。企業が1月~5月16日までに発表した自社株買いの設定額は4兆6千億円規模に達した。蓄えた利益を株主に還元する姿勢を企業が強め、好感した海外の投資資金が集まって日経平均株価(225種)は3万円台を今月回復。バブル経済崩壊後の最高値更新を後押しした。
発行した株式を企業が自社株買いで買い戻すと、株価は上昇しやすい。東京証券取引所は今年に入り、市場改革の一環として株主の利益を意識するよう企業に要請している。東証の要請を契機に、23年3月期決算を公表する4~5月にかけて、企業による自社株買い決定の発表が相次いだ。
SMBC日興が東証旧第1部を中心とする上場企業2158社を対象に集計したところ、発表は374件に上った。本決算時に自社株買いを公表する企業が多い傾向を踏まえ、金額は過去最高だった22年に並ぶ規模になるとみている。