Published by
共同通信
共同通信
岸田文雄首相が訪れた和歌山市の演説会場で爆発物が投げ込まれた事件で、警察庁は1日、当時の警備を検証した報告書を公表した。聴衆エリアへの部外者の入場規制や手荷物検査を自民党和歌山県連などの主催者側に要請した和歌山県警は、当日の態勢や手順の実効性までは確認せず、結果的に容疑者の接近を許した。「綿密な協議を行う必要があった」とし、主催者側との調整が不十分だったと指摘した。
今後は主催者側への警備上の要請事項は文書やメールで伝え、調整経緯を記録するよう全国の警察に指示。首相を含む警護対象者が演説する際は、屋内会場を優先するよう積極的に要望する。ただ演説会場などでの安全確保は、管理権を持つ主催者側に委ねられており、政治家側の理解をどう得るかが課題となる。
事件は4月15日午前11時27分ごろ発生。和歌山市の雑賀崎漁港で衆院補欠選挙の応援に訪れた岸田首相に向け、約200人の聴衆に紛れた木村隆二容疑者(24)から爆発物が投げられた。