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共同通信
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1979年に鹿児島県大崎町で男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部(矢数昌雄裁判長)は5日、殺人罪などで懲役10年が確定、服役を終えた原口アヤ子さん(95)の再審開始を認めない決定をした。事故死だとする弁護側主張が認められるかどうかが争点だった。第1次の鹿児島地裁、第3次の地裁と高裁支部が開始を認めたが、上級審で覆っていた。
確定判決によると、79年10月12日夜、原口さんの義弟だった男性=当時(42)=が酒に酔い溝に転落。近隣住民2人が男性宅まで送り届けた。日頃の生活態度に不満を募らせた原口さんが元夫らと共謀し、泥酔して前後不覚だった男性の首をタオルで絞めて殺害、翌日未明に遺体を牛小屋に遺棄したと認定していた。
弁護側は、溝転落時の頸髄損傷で男性が呼吸停止したと主張。第4次請求で、司法解剖写真などから救急救命医が調べ直した鑑定や、近隣住民2人の供述の信用性が低いことを示す鑑定を新証拠として提出した。