1歳男児殺害、再審可否を判断

Published by
共同通信
田辺雅樹さん

 愛知県豊川市で2002年、当時1歳10カ月の男児が連れ去られ殺害された事件で、名古屋高裁(田辺三保子裁判長)は7日、殺人などの罪で懲役17年が確定、服役した田辺(旧姓河瀬)雅樹さん(56)の再審請求の可否を決定する。捜査段階の自白の信用性が主な争点。高裁の別の部が19年、再審請求を棄却し、弁護側が異議を申し立てていた。

 確定判決によると、02年7月28日未明、豊川市の駐車場に止めた父親の車にいた村瀬翔ちゃんを連れ出し、岸壁から海に落として溺死させたとされる。

 再審請求で弁護側は、海に落ちた場所を当時の潮流から逆算した専門家の意見書を提出。自白に信用性がないと主張した。

 田辺さんは公判で起訴内容を否認し、名古屋地裁は06年、自白は不自然で直接的な物証や目撃証言はないとして無罪を言い渡した。しかし07年の名古屋高裁判決は「自白の根幹部分は十分な信用性が認められる」として逆転有罪とし、08年に最高裁も支持し確定した。

 受刑中の16年に再審請求。昨年8月、大分市の大分刑務所を満期出所していた。