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共同通信
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2008年6月に起きた東京・秋葉原の無差別殺傷事件は、8日で発生から15年を迎えた。殺人などの罪で刑が執行された加藤智大元死刑囚のかつての同僚で友人の会社員大友秀逸さん(46)は、事件を防げなかったことを今も悔やむ。「もう新たな被害者は生みたくない」。4年前に実名でツイッターを始め、見ず知らずの人の悩みに耳を傾け続けている。
「人を殺したい」「死にたい」。プロフィルに「加藤智大の元同僚で友人」と記した大友さんの元には年に数件、こうしたメッセージが届く。相手は匿名の他人だが「事件の芽を摘めるならそれでいい」。仕事の合間を縫い、時には睡眠時間を削ってでもメールや電話で何時間も話を聞く。
同じ青森市出身の元死刑囚とは03~05年、仙台市の警備会社で共に働いた。アニメやゲームの趣味が合った。元死刑囚が退職し、次第に連絡は途絶えたが「僕にとってはずっと友人に変わりなかった」と振り返る。
08年6月8日。ニュースで元死刑囚が無差別の殺傷事件を起こしたらしいと知ったが「にわかには信じられなかった」。