ダム洪水被災者に「支援必須」

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共同通信
ウクライナ南部ヘルソン州オレシキ市のリシチュク市長(同市HPから・共同)

 【キーウ共同】ウクライナ南部カホフカ水力発電所のダム決壊による洪水で、ロシア占領下のヘルソン州オレシキ市から避難しているリシチュク市長が8日、共同通信の電話取材に応じた。被災した市民の食料は「せいぜい2、3日分」で、人道危機にひんしていると強調。「国際社会が介入し、支援しなければ大惨事になる」と訴えた。

 残留する市民と連絡を取り続けるリシチュク氏によると、市域の9割が冠水した。停電が発生し、井戸の浸水で安全な飲用水も得られず衛生状態が悪化。病院には住民120人が低体温症で搬送され、収容能力の限界に達した。水位が高く、軍用車か船でしか市を脱出できないという。

 高齢者や身体障害者は避難が困難だったとみられ、死者が相当数に上る恐れがあると懸念を示した。水が引き始める中、遺体が浮上しているとの複数の目撃情報も寄せられている。

 占領下に残った住民は従来人口の2割以下の2千~4千人と推定。市民は助け合い、屋根に逃げた人々を限られたボートを使って救出し、千人ほどが学校に避難している。