Published by
共同通信
共同通信
【キーウ共同】ウクライナ南部カホフカ水力発電所の巨大ダム決壊により、ドニエプル川の南側のロシア軍占領地で、ウクライナ統治下の北側より深刻な洪水被害が起きた実態が8日、明らかになった。発電所があるノバカホフカ市のロシア側当局によると、5人が溺死。ウクライナ側でも、南部ミコライウ州で避難を拒んだ男性1人(53)が死亡し、犠牲者は計6人となった。
ロシア占領下のヘルソン州オレシキ市から避難しているリシチュク市長は8日、共同通信の電話取材に対し、住民120人が低体温症で市の病院に運ばれたと述べた。病院には水死体を見たとの複数の電話があった。水位は下がり始めており、相当数の死者が見つかる恐れがあると指摘。市は9割が冠水したが、ロシア側が住民を避難させることはなかったと述べた。占領下に残った住民からの情報という。
ゼレンスキー大統領は7日、ロシア側は住民の避難に「完全に失敗した」と非難。赤十字国際委員会(ICRC)や国際機関に対し水や食料、医療の支援を呼びかけた。