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共同通信
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政府は13日、宇宙開発戦略本部会合を官邸で開いた。昨年12月に策定した国家安全保障戦略に基づき、初の「宇宙安保構想」を決定。今後10年の目標として防衛目的の宇宙利用を拡大し、民間技術の活用を進める。他国のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)の実効性向上のため情報収集態勢を強化する。
宇宙の軍事利用を活発化させる中国やロシアに対抗する狙いだが、軍民一体化を加速させる政府方針に野党や学術界からは懸念も出そうだ。
構想案では、ロシアによるウクライナ侵攻で欧米の民間衛星のデータが軍事作戦に利用されたと例示し「宇宙利用が軍事的優位性に直結」と指摘。中国を念頭に、情報収集衛星を大幅に増やし、衛星攻撃能力の開発を進めている国もあるとして「脅威は急速に拡大」と危機感も表明した。
反撃能力に関し、複数の小型衛星を組み合わせて情報伝達速度を高め、人工知能(AI)を使って画像分析能力を向上させると打ち出した。自衛隊が他国の指揮統制や情報通信を妨害する能力を保持すると明示した。