米、レカネマブの本承認支持

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共同通信
アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の米国での製品イメージ(エーザイ提供)

 【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は9日、エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病の治療薬レカネマブの承認を支持する意見をまとめた。仮免許に当たる「迅速承認」を既に取得していたが、認知能力の低下を遅らせる効果が会合で認められ、販売継続できる本承認に道が開いた。FDAが7月6日までに最終判断する。

 レカネマブは、脳の神経細胞にとって毒となるタンパク質「アミロイドベータ」に結合し、除去する抗体。認知症の原因を除去する効果を証明し1月に迅速承認された。日本でも承認申請中で、9月ごろに結論が出るとみられている。

 対象は、年齢だけでは説明できない物忘れが現れた軽度認知障害(MCI)や、生活に支障が出始めた早期認知症の人で、有害タンパク質の蓄積が画像診断で確認できたことが条件。2週間に1度、点滴で投与する。

 約1800人が参加した臨床試験では、投与開始から1年半後の時点で、薬効のない偽薬を使った人に比べ、認知症状の進行を27%遅らせた。