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共同通信
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【ワシントン共同】自動運転中に乗客乗員計9人が亡くなる衝突事故を2009年に起こした米ワシントン首都圏交通局の地下鉄が、事故後に停止した自動列車運転装置(ATO)の営業電車での運用を、今年秋に再開する方針であることが、12日分かった。交通局によると、日本人駐在員が沿線に多い路線「レッドライン」でまず再開し、年内に全6路線に広げる計画だ。
新型コロナウイルス禍の収束で通勤客らの利用が回復し、運行本数を増やしてきた中で、自動運転の活用で定時運転に役立てることを狙う。事故はATOが原因ではなかったと判断されたが、安全性を不安視する利用者もいるため「関連設備を改良し、メンテナンス方法を改善した」という。
ATOは川崎重工業グループ製の車両「7000系」を含め、ワシントン地下鉄の全営業用電車が備えている。運転席のボタンを押せば自動的に出発し、次の停車駅の定位置で止まる仕組みだ。現在は営業電車が走っていない時間帯にATOの試験運転を進めている。