超音速技術など特許を非公開に

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共同通信
特許の非公開と基幹インフラ事前審査の主なポイント

 政府は12日、昨年5月成立の経済安全保障推進法に基づき、国が特許情報を非公開に指定できる25分野を示した。レーダーに映りにくいステルス性能や、極超音速飛行などに関する技術が対象。電気や鉄道といった基幹インフラ14業種の事業者が設備を新設・更新する際、国が事前審査する基準も提示した。

 覇権的な動きを強める中国などを念頭に、先端技術流出やサイバー攻撃でインフラが機能不全に陥る事態を防ぐのが狙い。同日の有識者会議で特許非公開と基幹インフラを巡る両制度案として示した。意見公募を経て、来春をめどに運用開始を目指す。

 特許は通常、軍事用技術も含めて出願から1年半後に原則公開されるが、政府の制度案では「国家及び国民の安全を損なう事態を生ずる恐れが大きい発明」など、機微性が特に高いものを保全指定し、非公開とするべきだとした。技術を発明した企業が海外で特許出願できなくなるため、損失補償も検討する。

 25分野には、核爆発で電磁波を発生させる電磁パルスのような技術、ミサイル防御や飛翔体の弾道技術も含まれる。