米FRB、利上げ見送り

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共同通信
米連邦準備制度理事会の本部=3月、米ワシントン

 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)は14日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利を5~5.25%に据え置くことを決めた。利上げを見送るのは昨年1月以来、11会合ぶり。物価は高水準で推移するものの、今年3月以降に相次いだ銀行破綻の影響が見極めきれず、過度な金融引き締めによる景気への打撃を警戒した。

 金融政策と同時に公表した経済見通しでは、23年末の金利を5.6%とした。3月時点の5.1%から引き上げ、年内に利上げを再開する可能性を示唆した。

 昨年3月からの急ピッチの利上げに伴い、年内にも景気後退に入るとの見方が強まっている。金利はすでに高水準にあるほか、金融不安が強まれば貸し出しの縮小を誘発し、大幅な経済悪化に陥る可能性もある。

 FRBは声明で、銀行破綻の影響が「不透明だ」と改めて強調。政策金利を維持することで「(物価や雇用などの)追加の情報や金融政策の影響を評価できる」との考えを示した。米国債などの保有資産の縮小は続けるとした。