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共同通信
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岐阜市の陸上自衛隊射撃場で隊員3人が自動小銃で撃たれ死傷した事件で、殺人容疑で送検された自衛官候補生の男(18)が死亡した教官への発砲を制止されそうになり「動くな」と周囲に向けて叫んでいたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。陸自中部方面警務隊と岐阜県警は、普段接する機会のない教官に強固な殺意を持った経緯を慎重に調べている。
陸自などによると、死亡した教官の菊松安親1等陸曹(52)は男を直接指導する立場になく、接点は少なかったとみられる。男は菊松1曹への不満や批判を具体的に説明しておらず、県警なども2人の間のトラブルを確認していない。
事件は14日午前9時過ぎ、陸自日野基本射撃場で起きた。男は射撃訓練が始まった直後の待機中に「89式5.56ミリ小銃」を菊松1曹ら3人に向けて発射した疑いがある。
捜査関係者によると、発砲を制止されかけ「動くな」と叫ぶ姿を多くの訓練参加者が目撃。男自身も「発砲前に叫んだ」と供述している。