骨太方針、増税回避の姿勢鮮明

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共同通信

 政府は16日、経済財政運営の指針「骨太方針」と成長戦略「新しい資本主義実行計画」を閣議決定した。岸田文雄首相が重視する少子化対策では「加速化プラン」に伴う消費税増税を否定。防衛費増額の財源確保でも2025年以降への増税先送りを示唆し、世論の反発を招きかねない増税の回避姿勢を鮮明にした。新しい資本主義が掲げる「成長と分配の好循環」に向け、持続的な賃上げ実現が課題となる。

 首相は閣議決定に先立って開いた政府会合で、骨太方針などに基づいて予算編成や制度改革を進め「国民全体が将来に明るい希望を持てる経済社会をつくる」と強調した。

 骨太方針は7日の原案公表後、与党との調整を経て防衛と少子化対策の財源部分が加わった。

 政府は23年度から5年間で防衛費に総額約43兆円を投じる計画だ。財源の一部を法人、所得、たばこの3税の増税で賄う方針を決めている。増税時期はこれまで「24年以降」としていたが、骨太方針では先送り論を反映させ「25年以降のしかるべき時期とすることも可能となるよう、柔軟に判断する」と記述。