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共同通信
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ロシアのプーチン大統領は16日、「われわれはNATOより多くの核兵器を保有している」と述べて核戦力の優位性を強調し、ウクライナ侵攻を巡り対立を深める欧米側を強くけん制した。国家主権保持のための核使用の可能性に改めて言及、今後の核軍縮に否定的と受け取れる発言もした。
侵攻が長期化し、ロシアによる核使用への懸念が高まる中、米国とロシアの核軍縮交渉が困難さを増すのは必至だ。
プーチン氏は北西部サンクトペテルブルクでの国際経済フォーラム全体会合で、国家統合を進める同盟国ベラルーシへの戦術核配備について「既に第1弾が搬入された」とし、年内に全ての配備が完了すると述べた。
ロシアの核兵器はNATO側より多いと指摘した上で「だから彼らは常に削減交渉を迫り続けている。くそったれめ」と笑いながら言い放った。
プーチン氏には、欧州地域で優位に立つ戦術核を国外のベラルーシに配備してNATO側に一歩近づけ、ベラルーシと国境を接するNATO内の対ロ最強硬派ポーランドなどをけん制する意図があるとみられる。