防衛装備品、国の工場新設を容認

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共同通信
防衛産業支援基本方針案の主な内容

 国内防衛産業を支援する生産基盤強化法の成立を受け、政府が法に基づく施策を実行するために定める基本方針案が判明した。事業継続が困難な場合の工場買い上げ制度に関し、必要なら国が新たに工場を建設する対応を容認。輸出先国の要望で装備品の仕様を変える経費を助成した後、輸出に失敗しても返還は求めないと明記した。企業側には「国防を担う重要な存在だとの認識」を強く持つよう求めた。関係者が17日、明らかにした。

 有事の戦闘継続能力を保つため、防衛産業の維持に努める姿勢を明確にした形。だが日本の防衛産業は国際競争力が弱く、成果を出すのは容易でない上、官民の癒着を生む恐れもありそうだ。

 方針案では、強化法に基づきサプライチェーンやサイバー攻撃対策の強化、製造工程の効率化などの経費を国が負担する企業の認定方法について「装備品の安定的な製造に不可欠か確認した上で防衛相が認定」と記すにとどめた。

 こうした支援でも事業継続が難しい工場の買い上げに関しては、装備品を製造する請負業者が存在することが前提と規定した。