高校の教育無償化、負担7億円増

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共同通信

 大阪府が進める高校授業料の完全無償化を巡り、私立学校関係者から懸念の声が上がっている。試算では、所得制限のある現行制度から年間約7億5千万円の負担増となるためだ。近畿2府4県の私学団体が19日に大阪市内で開いた意見交換会では反対の声が続出。4月の統一地方選で公約に掲げた政治団体・大阪維新の会は実現する構えだ。

 私立高校授業料は現在、年収800万円未満の世帯では年間60万円まで国と府が原則全額拠出し、年収と家族構成によって一部を保護者が負担。60万円を超える分は学校が負う仕組みだ。

 新制度案では年収上限を撤廃。60万円までは全て国と府が、超過分は学校が賄い、保護者の授業料負担をゼロにする。府によると、私学側の負担は現在の約9億5千万円から約17億円に増えるという。

 府は8月中に案をまとめ、2026年度に全学年での実施を目指す。

 大阪私立中学校高等学校連合会は現時点で制度への参加を留保している。辻本賢会長は「経営難になれば非常勤の教師が増え、教育環境が悪化する」と指摘した。