Published by
共同通信
共同通信
実体がない暗号資産(仮想通貨)などを扱った「モノなしマルチ商法」を巡るトラブルが急増している。関連の相談は全国で年間3千件を超え、半数を20代以下が占める。大阪府警は5月、約2500人から7億円以上を集めたとされる9人を逮捕。府内の男子大学生(21)はタワーマンションで7時間軟禁されて勧誘を受け、契約金140万円を払ってしまった。
「私はタワマンの部屋もスポーツカーも買った」。昨年8月、大阪市内の46階建てのタワマンで20代の女が男子大学生に熱弁した。「1人誘えば投資額の8%が報酬に」。仮想通貨「ピーク」への投資を契約するよう迫ってくる。
男子大学生はトイレに行くふりをして逃げようとしたが「荷物は置いて」と手をつかまれた。勧誘は7時間続き、思わず「やります」と答えてしまった。契約金は消費者金融で借りるよう言われ「早くこの場から逃れたい」との一心で応じた。