逗子の崩落「発想なかった」

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共同通信

 神奈川県逗子市で2020年、マンション敷地斜面から崩落した土砂に女子高校生=当時(18)=を巻き込み死亡させたとして、業務上過失致死容疑で書類送検されたマンション管理会社の男性社員(36)が、事故前に見つかった斜面の亀裂について「すぐに崩落につながるという発想にならなかった」と民事訴訟で説明したことが23日、分かった。

 遺族が損害賠償を求めた訴訟の記録によると、社員はマンションの管理人から事故前日、約4メートルの亀裂があると写真や電話で報告を受けた。遺族側は、社員が事故防止策を直ちに取るべきだったと主張。社員は、斜面の調査に関して県の土木事務所に尋ねたなどと述べた。

 事故は20年2月5日午前8時ごろ発生。高さ約16メートルの斜面から約66トンの土砂が崩れ、直下の市道を歩いていた県立高校の女子生徒が巻き込まれた。県警は今月23日、斜面の亀裂を把握していたのに必要な安全措置を取らなかったとして業務上過失致死の疑いで、社員を書類送検した。